森林情報管理システムの構築

 

■業務名:森林情報管理システム整備委託業務(平成13年度)

■発注者:高知県

業務の概要                             

 平成13年7月の森林法の一部改正に伴い、森林ゾーニングの手法が見直され、これを受けて、高知県の森林ゾーニングの見直しが必要となりました。森林ゾーニングには非常に膨大なデータを扱う必要があり、これまでマイラー図面で管理していた森林計画図をデータ化し、GISにより森林ゾーニングを実施しました。
 森林ゾーニングにあたっては、高知県で管理する森林計画図をスキャニング補正し、マップデジタイズにより林・小班ポリゴン、林道データを作成しました。
作成したデータを基に「ゾーニング手法」に従い「人工林の成熟度」「地利級」「地位級」「傾斜」「作業履歴」の各個別評価及び総合評価を行い、森林ゾーニング(①資源の循環利用林 ②資源の循環利用林(水土保全林(活用型))③水土保全林(保全型)④森林と人との共生林)を行いました。
 また、作成したデータの有効利用と今後の森林情報及びゾーニングの更新・管理を行うため、GISにより「森林情報管理システム」を開発し、本庁および出先6林業事務所に設置しました。

◆空間データ整備
 高知県全域:森林計画図 783枚、小班ポリゴン 約2万7千件、森林簿 約69万件
◆森林情報管理システム

<システムの主な機能>
①森林ゾーニングの更新 ②施業履歴の登録・更新 ③森林資源構成表の作成
④主題図の設定 ⑤各種データの空間検索・抽出 ⑥各種図面や帳票の出力
⑦指定の範囲を縮尺・解像度を指定して画像データを出力

 当時はGISが普及し始めた頃で、高知県においてはGIS業務の前例が少なかった。全国的には失敗事例が多くあり、地元コンサルで可能か? 発注者の担当者も大きな不安を抱えていました。
 弊社では平成11年よりGISを導入し、空間データ整備とツールプログラムの作成経験があり、ある程度の自信を持っていましが、こんな大規模な空間データ整備とシステム開発を1年間で仕上げることが可能か不安はありました。空間データ整備は順調に進みましたが、本格的なGISのシステム開発は初めてで、失敗しない(必ず使えるシステムとする)ため発注者と幾度も仕様の打合せとインターフェースの確認を行い、動作テストを繰り返し試行錯誤の結果、多くの工数を要しましたが何とか完成しました。完成したシステムは発注者の要望する機能と操作性をほぼ満足させることができました。