自然環境保全をテーマとした道路・構造物設計

 

■業務名:藤地区ふるさと農道緊急整備測量設計委託業務(平成11年)

■発注者:中村耕地事務所

業務の概要                             

 本道路は後川中流域に位置し、周辺は農業の盛んな地域ではあるが、道路が未整備のため、後川により地域が東西に分断されている。ここに連結する交通路を整備することにより、分散した団地を有機的に連結させ、近代的で活力ある高生産農業地域を構築していくものである。
 整備計画に当たっては、周辺環境が豊かであることや、近年の自然環境の保全への要請から、生態系調査の実施や景観設計を行いながら、自然環境保全を考慮した路線とした。

内訳:測量、生態系調査(道路環境調査[植物・動物]陸上植物、ほ乳類、両生及び爬虫類、昆虫類、鳥類、魚介類[秋、冬、春、夏])、景観設計、農道設計530m(小橋梁実施設計)、橋梁基本設計150m(護岸予備含む)、用地調査 委託額合計約63,000千円

 道路構造規格は3種4級、幅員全福は8.95m(2@2.75+2.0片側歩道)、設計速度は30㎞である。路側の盛土の裏面は、生態系や環境に配慮し植栽が可能なジオテキスタイルの補強土を採用した。側溝は、小動物が落ちても這い上がれるよう側壁を緩勾配とし、自然石張りとした。防護柵は景観を考慮して、ガードケーブルを採用した。

 トンネル抗口は、景観を考慮し竹割り型を採用した。橋梁は、河川条件や景観を考慮して3径間連続箱桁橋を採用した。なお、生態系に配慮して道路照明は省略することとした。