第42回 高知県地盤工学研究会が開催されました。(2017/10/10)

平成29年10月10日、高知県立県民文化ホールにて第42回 高知県地盤工学研究会が開催されました。

講演テーマは「南海トラフ地震に対する地方自治体の取り組みと高台移転の考え方」、黒潮町役場 徳廣課長、中土佐町役場 木村主幹により各自治体の取り組みについて紹介頂きました。

徳廣課長からは、全国一高い津波が襲来する町となっても、「住民誰一人も津波にあきらさせない」を目的として首長が執ったリーダーシップ、津波対策を通じた住民とのふれあい、それがまちづくりに繋がり活かされていく事例が紹介されました。また地元に津波を説明するために、津波浸水シミュレーションの動画作成を行い「わかりやすさ」を大事にされていました。

木村主幹からは、高台移転の流れ、住民への説明強化の為の3Dを用いたプレゼンテーションなどを含め、様々な取り組みを進めている事例が紹介されました。

我々技術者は、業務等で与えられた事項に捕らわれがちになるものですが、取り組み全体の流れを理解することで「培ってきた専門技術をどのように提案していけるのか」。という問を突きつけられた気がしました。また、プレゼンテーション資料と適切な説明は参加されていた学生の方々にも良い見本となったのではないかと感じております。

様々な方々から質問が出され、質問時間をオーバーするなど活発な意見交換がなされました。質問の過程で、どちらの自治体においても、通常時に閉鎖されている事が多い津波避難タワーを開放していること、特に中土佐町では、観光の目玉となっている大正市場に近接する津波避難タワーを見晴らしの良い高台として利用できるよう開放し、地域の活力として利用されている事など、多くの良い知識が得られました。

今後も積極的に講習会に参加し、情報を提供していきたいと考えております。